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「逃げ場がないこと」の効能 -映画館で映画を観る-

2021-11-07

動画配信サービスは素晴らしいと思う。

自宅から出ることなく、都合の良い時間に気軽に映画を観ることができる。

誰にも気兼ねすることのない空間での映画鑑賞。
それは至福の時間だ。
飲食は自由だし、ソファに寝転びながらの鑑賞もアリ。

動画配信サービスには、一生かかっても見終えることができない数の作品がストックされ、気に入った作品は繰り返し鑑賞することができる。

また、月額利用料内なら好きなだけ映画を鑑賞できるという、映画好きには天国のような環境の下、毎日映画を観たとしても金銭的負担感もない。

まさに、いいことずくめである。

でも、やっぱり映画は映画館で観る方がいいと思うのだ。

画面の大きさとか音響とか、そういう設備が格段に良いというのはあるけれど、理由はそこじゃない。

映画館の一番の価値は「逃げ場がない」ことなのだ。

動画配信サービスで映画を鑑賞する時、常に感じることは「たったの2時間なのに、映画に集中することが本当に難しい」ということ。

スマホに入ってくる通知に気を取られたり、家の中の物音に反応したり、お腹が空けば「停止ボタン」を押しておやつをとりに行ったり。

映画鑑賞を邪魔する要素が日常生活には溢れているのだ。
「そんなの全て取り払ってしまえばいいじゃないか」と言われればそれまでだけど、そうもいかないのが自宅という場所。

そしてもうひとつ、「いつでも中断することができる」「簡単に巻き戻せる」という動画配信サービスならではの利点が、集中力を削ぐことに一役買ってしまっている。

一方、映画館で映画を観る時は心構えが違う。

席を選び、お金を払い、トイレに行き、飲み物をフォルダに入れ、スマホの電源を切る。
予告編を見ながら、数分後に始まる本編をワクワクしながら待つ。

このルーティンこそが、映画を観るために最適な体制を整えるのだ。

「これから映画を観るぞ」という気合いのもと映画鑑賞をするのだから、映画を観ることだけに神経を集中させるのは自然な流れ。

そういう意味で、映画館で観る映画の方が動画配信サービスで観る映画より、吸収できるものが大きいのではないだろうか。
それは、作品への感動度合いにも影響するように思う。

結局のところ、映画館で映画を観る一番のメリットは、作品に集中できる環境の提供ということ。

そのために払うお金は惜しくない。
1日のうちの2時間、睡眠時間を除けば約18時間の活動時間うち、9分の1という長き時間を費やすのだ。

ならば作品に没頭したい。

日常の延長で映画を気軽に楽しむことと、非日常である「映画館という箱の中」で映画を楽しむことは似て非なるものなのだ。


巣ごもり生活以降、動画配信サービスでの映画鑑賞が日常となったけど、映画館で映画を観るというイベントを大切にしたいと心から思うのであった。

  • この記事を書いた人

ミント

ブロガー | ドラマや映画について発信 | 2020春『愛の不時着』にどハマりし、韓国ドラマ沼へ | exciteニュースに『愛の不時着』考察記事複数掲載 | 脚本 | Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | WATCHA | 人生の栄養になるドラマ・映画を紹介していきます。 note URL▶︎https://note.com/mint_aria/

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